スセリの日記3

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FX版天外Ⅲの記事を読んで

ふと読んだ『PC Engine FAN 1994年6月号』に『天外魔境Ⅲ(FX版)』の記事が載っていた。

前人気でダントツの1位ということからも、すごく期待されていたことが改めてわかると同時に、これが発売されていれば、現在の天外魔境ジャンルは今みたいにマイナージャンルになってなくて少しは違っていたんだろうか、天外の新作が今も発売されていたかもしれないと思うと涙が・・・。


今でも未発売のFX版が正当な3作目だと主張するファンは多く、ファン界隈に物議を醸し出したり、対立を招いたりと、天外Ⅲ(未発売のFX版とPS2版)の件といい、義経の性別の件といい、ファン同士の解釈違いの論争や対立が起こっているところ、それを招く要素があるところも天外魔境ジャンルの闇。しかもそれは今も続いている。

公式も、それぞれの媒体で携わっているスタッフが違っていて、某攻略本ライターや動画チャンネルのテロップ作成者も含めて、それぞれの設定把握が違っていて、あの本ではこう書いてある、あの動画でこう言ってたけどこの動画ではこう言ってる、設定がカオスでわけわからない状態になっているのも、解釈違いによる論争や対立を引き起こして、ファンのジャンル離れを起こしたり、ジャンル衰退を加速させた一因。

いっそこのまま、あやふやなままにしておけば、ファンの数だけ解釈あるってことで平和なのだが、これはこう!と絶対白黒はっきりつけたいファンがいて、定期的に根掘り葉掘り物議を掘り返しているため、常にどこかで物議が起こっている状態である。

 

天外Ⅲに関しては、当時機種がどうであれ、さっさと出してくれていればよかったと思う。『アルナムの牙 獣族十二神徒伝説』は続編『アルナムの翼 焼塵の空の彼方へ』を他機種(プレイステーション)で出すことでファンから顰蹙を買ったが、結果的にそれで正解であり英断と言える。PCエンジンという機種にこだわっていれば、天外Ⅲのように未発売ゲームになっていたかもしれないし、今となっては「PCエンジンでなく他機種で続編を出すなんて!」とそんなこと気にしてる人はいないし、まさに出しちゃったもの勝ちの例である。

天外ⅢもさっさとPCエンジンPC-FXに見切りをつけて、プレステかサターンで出していれば、桝田氏シナリオの天外Ⅲが遊べていたかもしれない。

だがそうなった場合、PS2版天外Ⅲは存在しなくなり、PS2版を愛するファンの気持ちは・・・。

FX版を望むことはPS2版を否定すること。本人はその気はなくても、人によってはPS2版をないがしろにしていると受け取ってしまう。FX版とPS2版、それぞれのファンが対立してしまい、互いに相容れないことはもう仕方ないことである。

 

ああではなかったら、もしかしたら・・・と、『もしも』と思わずにいられない、辛いゲームが『FX版天外魔境Ⅲ』である。

上述の泥沼な状況の中、それでも応援し続けてるファンは愛が深くてすごいと思う。未発売になったにも関わらず、今も熱心にあきらめず応援しているファンがいて、そんなファンたちがいなければ他の開発中止になって忘れ去られたゲームと同じく当の昔に忘れられていた。最近になって色紙グッズのイラストの1枚として抜擢されたり、原画展でイラストが展示されることもなかった。

ただ愛やこだわりが強すぎるゆえに、ときとして相手の推しや解釈を否定したりして、さらに対立や論争を深める悪循環。本人がなにげなく本音をツイートしただけでも、それが好きな人にはダメージになる。この不毛な状態は永遠になくならず、大勢から期待された天外Ⅲが開発中止になったあげく、こんな泥沼状態になるとは、当時発売を期待していた誰もが思いもしなかった。

 

奇跡が起こるなら、どうかこの泥沼状態を終わらせる何かが起こることを祈りたい。

 

tengai-okuni.hateblo.jp