スセリの日記3

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俺の屍を越えてゆけ公式指南書~ソノ血、絶やさぬ為ニ~

『目次』CONTENTS


◎序章


◎ゲームシステム解説


●当主の心得
・何事に於いても始めが肝心なり
・戦闘で生き延びる為の兵法
・家での出来事にも注意すべし
・要点をつかみ一族の血を高めよ
●本家秘伝書
・投資と復興により受ける恩恵
・鬼の討伐に於ける覚え書き
・奥義の創作と伝授の方法
・術の詳細資料および修得の法則
・公式討伐隊選考試合規則書
・選考試合出場チームデータ
・家庭で起きる様々な事象
・交神の儀と百八神の資料


◎ダンジョン攻略
・鳥居千万宮・前
・相翼院・前
・九重楼・前
・白骨城・前
大江山
・鳥居千万宮・後
・相翼院・後
・九重楼・後
・白骨城・後
・紅蓮の祠
親王鎮魂墓
・忘我流水道
・地獄巡り

●攻略の指南・番外の書
桝田省治特別寄稿コラム


◎アイテムデータ


◎蔵出しデータ/インタビュー
美人画
・イツ花
・黄川人
・姿
・遺言
桝田省治インタビュー


●索引

 

 

企画・構成・執筆 四家秀一
         尾高 祐
         斉藤中雄
         増田道行
         太刀川政男
         (有限会社チョップ)
デザイン監修   大城修一(ファミ通書籍編集部)
         小西忠明(マッハ55号)
         小澤 孝
         吉岡貴司(株式会社あとらす二十一)
         森若 匡
         常見雄一(ファミ通書籍編集部)
         吉原雅之
         鐘田研次
         池田太
         (株式会社アスキー)
編集       大谷芳弘(ファミ通書籍編集部)
監修・協力    株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント
         株式会社コントレイル
         株式会社アルファ・システム
         有限会社マーズ
         桝田省治

発行人      浜村弘一
編集人      野田 稔
副編集人     田原誠司
編集長      坂本武郎
副編集長     澄田雅範
発行所      株式会社エンターブレイン
印刷       図書印刷株式会社

 

ISBN4-7577-0107-1
C0076 ¥1400E
エンターブレイン
定価 本体1400円+税

 

 

 

俺の屍を越えてゆけ』の攻略本。オールカラーで306ページ。
とにかくデータが細かくいたるところにびっしり書かれていて、設定資料としても読みごたえ満点。さらに「桝田省治の神様ネーミング秘話」やインタビューも盛りだくさんな内容。買って損はない1冊。

あえて言うなら、この本はとにかく字が小さいので老眼の人でなくても読むのが大変なことだが、内容を考えればこれは許容範囲である。

 

 

 

 


実は天外ファンにとってこの本は重要な本である。

天外魔境Ⅱ卍MARU』の義経の設定が作られた経緯について、桝田氏が解説しているからである。

それについては、最後に載っている『桝田省治による世界観解説』の冒頭で語られていた。

 


―― ここからは『俺屍』主要キャラクターのことを、桝田さんに直接解説していだたきます。ただし、先にお断りしておきたいのは、桝田さんには前科があるということです。

桝田 実は昔、『天外Ⅱ』の本でキャラの設定を書いたんだけど、ホントにネタがなくなって、「この人は男の格好をしているけど、実は女で……」ってデマカセを書いちゃいました。すいません。

―― ということです。ここでは、桝田さんのそんな「後付け」も含めて、おおらかな公式見解とさせていただきます。

桝田 設定自体後からつけたんだからなぁ。でも、つじつまが合ってるんだから、それで大丈夫だよ(笑)。

俺の屍を越えてゆけ公式指南書 ~ソノ血、絶ヤサヌ為ニ~』、アスキー、1999年、284頁。

 

つまり、『天外魔境Ⅱ卍MARU公式ガイドブック』で桝田氏が解説していた義経男装の麗人設定はその場で思いついた「後付け」であり、桝田氏はその場で思いついたデマカセから生まれた設定のキャラもいることを事前に説明したうえで、俺屍のキャラ解説につなげていた。

桝田氏はこういったキャラ設定作りもするという例で、『(後付けでも)つじつまが合ってるんだから、それで大丈夫だよ(笑)。』のコメントどおり、その場で思いついた設定が本当の設定となった、いわゆる「嘘から出たまこと」の例である。

たとえ、思いつきで言ってしまった後付けでも、義経はうまくつじつま合わせができてキャラクターとして魅力的になり、人気で出てファンに支持されたことから、桝田氏はキャラメイクでも神がかっている。

 

ただ、この部分を誤読引用したライターの曲解した解釈によって、後のリメイク版公式攻略本『天外魔境Ⅱ MANJI MARU 公式完全攻略絵巻』の用語集『天辞苑』の義経の項目で


PCエンジン版の「公式ガイドブック」には、義経男装の麗人であると書かれているが、現在ではこの情報は否定されている。そもそもこの設定を書き込んだのは、制作者である桝田省治氏自身なのだが、じつはこれはネタがなくなってしまった思いつきであるという。後年氏はインタビューの中でこの情報が嘘であると認めており、現在では義経は男であるということになっている。

天外魔境Ⅱ MANJI MARU 公式完全攻略絵巻』、エンターブレイン、2003年、383頁。

 

と曲解した設定を書かれたことで、義経の性別の物議が生まれて、ファン同士の対立やファン離れ(主に義経のファン)を起こしてしまい、さらに桝田氏まで誤解されて非難されてしまったのが大変残念である。

後に発売された『俺の屍を越えてゆけ 新説・公式指南書』でもわざわざこの件があげられていることから、桝田氏も自身の発言や設定を曲解されて広まってしまい大変迷惑だった模様。

 

該当のインタビューのコメントを読めば、義経男装の麗人設定(実は女性だった)は後付け設定だけどつじつまが合っているからそれで大丈夫だとコメントしているとおり、うまくつじつまが合って成功した後付け設定の例であって、桝田氏は義経が女性であることを否定したわけでも、情報は嘘であると認めているとは書かれてないことは読めば一目瞭然である。そもそも「嘘」という単語すらない。

しかし、天外ファンすべてがこの本の桝田氏のコメントを読んで事実を確認したわけではなく、曲解された設定が本当だと広がってしまい、ファン同士の解釈違いによる衝突を招いたり、失望して離れていったファンも少なくないことから、ジャンル衰退の一因となったことは事実でありとても遺憾である。

 

tengai-okuni.hateblo.jp