スセリの日記3

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ゲームデザイン脳 桝田省治の発想とワザ

ゲームデザイン
桝田省治の発想とワザ目次

1・みつける 着想/加工
日常の中の個人的な欲求 ――俺の屍を越えてゆけ――
他人の欲求を探る ――リンダキューブ――
自分ならどう作るか? ――ネクストキング――
父の死さえネタにする ――勇者死す。――
ゲームにするはずが…… ――鬼切り夜鳥子――
見込みがありそうなネタの選別方法
神経衰弱とババヌキの比較、藤子不二雄作品
ボリショイサーカスから学ぶ
1コインでできる分解の演習
たとえば百円ショップ

2・つくる 設計/調整
着想を企画書に落とす その①――俺の屍を越えてゆけ――
システムでドラマを生成する ――俺の屍を超えてゆけ――
戦闘の意味づけ ――俺の屍を越えてゆけ――
着想を企画書に落とす その②――リンダキューブ――
着想を企画書に落とす その③――ネクストキング――
未知なるものを体感させる――虫歯とベン・ジョンソン――
イメージを数字や式に落とす
ゲームにおけるシナリオの役割
キャラを立てる――天外魔境Ⅱ――
珠玉のメッセージ
原因を探る――調整作業――
欠点や失敗を活かす
失敗することについて

3・かんがえる 哲学/裏技
テレビゲームとは何か? その① 初めてのテレビゲーム
テレビゲームとは何か? その② それは偶然か?
テレビゲームとは何か? その③ しょせんはゲームだ
テレビゲームとは何か? その④ 小説や調査との比較
思考のレッスン その① 幻の天外魔境Ⅲとハルカ
思考のレッスン その② 最近気になっているテーマ〝揺らぎ〟
思考のレッスン その③ 面白いと感じる戦闘の条件
遊びのルールを創造する

あとがき

僕は、こうしてゲームデザイナーになった <前編>
僕は、こうしてゲームデザイナーになった <後編>

 


装丁・本文デザイン:松田行正+山田和寛
カバー・ポスター・本文イラスト:帝国少年
組版マッドハウス


著者 桝田省治
発行者 片桐 巌
発行所 株式会社技術評論社
印刷/製本 日経印刷株式会社

 

ISBN978-4-7741-4192-3

C3055 ¥1580E

定価(本体1580円+税)

M-code 427981

 

 

 


桝田省治氏の著書の一つ。桝田節全開で桝田氏のゲームデザイン思考について語られている桝田氏ファン必読の本。


できるだけ包み隠さず本音で書いた。

ゲームデザイン桝田省治の発想とワザ』、技術評論社、2010年、191頁。

 

とのことで、管理人はとてもわかりやすく読みやすかった。

 

【キャラを立てる ――天外魔境Ⅱ――】では天外Ⅱについてもいろいろふれられている。冒頭で桝田氏の「キャラを立てる手法」について

 

一.まず、僕が面白いと思うこと、逆に言えばユーザーを面白がらせたいゲーム向きのネタをどこかで見つける。
二.次にそのネタを再現するためのルールやゲームの目的を考える。ようするにシステム部分の構築だ。
三.そのルールや目的が存在してもおかしくない世界設定をでっちあげる。
四.最後に、ルールや目的、世界設定が説明的にならず、感覚的に理解しやすいシナリオやキャラクターを追加する。
ゲームデザイン桝田省治の発想とワザ』、技術評論社、2010年、113頁。

 

についてざっとした順番や流れが説明されている。でっちあげという単語がここにも出てきて改めて桝田氏のキャラメイクの手法についても見ることができる。

ただし常にこの流れで企画を作るわけではないとのこと、この流れが知らず知らずにできていくのは天外Ⅱの後だったとのことで、

 

先の一~四のような流れで企画するようになってからも、キャラをないがしろにしているつもりはないし、このときのノウハウが活きているのも確かだ。

ゲームデザイン桝田省治の発想とワザ』、技術評論社、2010年、114-115頁。

 

と語っていて、桝田氏の当時の手法、天外Ⅱにおけるキャラメイクやシナリオの確立について解説されていて、さりげない部分から設定が構築されて作られていったことがわかり、とても面白く読めた。


幻の天外Ⅲのシナリオ、システム上の主な趣向を列挙されていて、さらに天外Ⅲの没シナリオを元に書いた小説『ハルカ 天空の邪馬台国』と『ハルカ 炎天の邪馬台国』について紹介されている。

ちなみに最後の

 

……と、いちおう本書の強引に関連づけ、ついでにどさくさ紛れに小説の宣伝もしつつ、本節はこれにて終り。

ゲームデザイン桝田省治の発想とワザ』、技術評論社、2010年、177頁。

 

の部分がさりげなく商売上手である。

 

天外Ⅱと幻のFX版天外Ⅲについて興味を持っている人は読んで損はしない1冊である。

 

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